みなさんこんにちは!EDIT知多半島ライターの田村です。今回は、常滑市で焼き物文化と共に歩んできた食べ物をご紹介したいと思います。

知多半島には様々な歴史があり、伝えられてきた文化があります。常滑の文化といえば当然焼き物が出てくると思いますが、もう少し深掘りすると餅というキーワードがでてきます。なぜ常滑で餅なのか、わかりますか?

常滑で餅がよく食されてきた理由に、焼き物職人たちと大きく関わりがあると言われています。一度制作が始まると、長い間作業場から離れられない職人たちにとって、腹持ちがよく、かつ価格も手頃であった餅はとても都合の良いおやつだったのです。特に窯に火を入れる際には、長い時間ずっと火加減や焼き加減を注意しなければいけなかった職人たちにとって便利な携帯食であったことが想像できます。現在で言う、エネルギー飲料に似ているのかもしれません。そう考えると、今も昔も“仕事を頑張る大人”を助けるものはロングセラーを記録していますね。大量に消費される場所だったからこそ、現在でも常滑には餅専門店が存在しています。そんな餅専門店の中から、今回は常滑市鯉江本町に本店を置く「大蔵餅」をご紹介します。

大蔵餅本店の外観
大蔵餅本店の外観
大蔵餅を代表する餅菓子
大蔵餅を代表する餅菓子

大蔵餅が他の餅屋と何が違うのかといえば、地産地消に取り組んでいることでしょう。かといって、地元の産品をただ使うという単純な話ではありません。大蔵餅の目指す餅の食感や味を出すため、最適な品種である佐賀県でうまれたヒヨクモチを育ててくれないかと常滑市の農家さんに打診。現在では生産されるすべてのヒヨクモチを買い取り、地元産でありながら味に妥協しない、美味しいお餅づくりを可能にしたのです。

常滑市でヒヨクモチを育てている 農家の中野さんたち
常滑市でヒヨクモチを育てている
農家の中野さんたち
低農薬栽培のため 草むしりは大忙し
低農薬栽培のため
草むしりは大忙し

そんなこだわりをもつ大蔵餅で、寒い時期におすすめしたいのが「ぜんざい」です。このシンプルな、つぶあんと餅という組み合わせのスイーツだからこそ、素材そのものの味と職人の技術が物を言います。残念ながら北海道の小豆に勝るものがないとのことで、すべてが常滑産とはいきませんが、店内で提供される器や急須などもすべて常滑産。大蔵餅の地産地消に対する気持ちが伝わってきますね。

暖かくてホッとする 餅屋のぜんざい
暖かくてホッとする
餅屋のぜんざい

せっかく遊びに来たなら、その場所でしか体験できない経験は貴重な思い出になること間違いなし。ぜひ、常滑やきもの散歩道などを楽しんだあとには、常滑の焼き物職人たちが楽しんでいる味も体験してみてはいかがでしょうか。

大蔵餅公式ホームページはこちら

次回の記事もお楽しみに!

本企画『知多半島案内』については、こちらをチェック!

Advertisement